平成の太宰治

本業の傍ら、個人事業/完全報酬がコンセプトの結婚相談所を運営しています ニックネーム「平成の太宰治」の由来は、 平成生まれで、人間失格だから、です。

新人研修とインパール作戦

インパール作戦それは、日本軍がインパールイギリス領インド帝国北東部の都市)攻略を目指すが、誰1人辿り着けず3万人が死んだ作戦 

撤退路は、白骨街道と呼ばれる(出典:wikipedia インパール作戦

会社の研修をインパール作戦と同様に扱う事は、いささか誇大的妄想に近い(と自分でも思う)

だが、中高の学校生活・仕事を一度も休まなかった私が、仕事へ行くのが億劫で1日中起き上がれない事は初めてだった

 


•新人研修が始まる
新人研修は、1ヶ月に色々なことを学ぶ。
職場見学・講義・レポート・プレゼン・パソコン実習(Excel、Word、PowerPointLinuxなど)・早朝のミーティングなどをやり、忙しい。普通のサラリーマンの10倍はハードだと思う。
最初の週は、一番厳しい(と噂の)実習だった。
担当の先生に開口一番「なんでこの業界に来たんだ?」と聞かれた
口をつぐんだ。何も答えられなかった
会社があまりにも遠いので、近くに家を借りたいくらいだったが、お金がないので片道1時間以上かけて電車通勤するしかなかった。レポートは毎日1枚書き、退社する時に提出、職場の見学と色々な事をこなしていた。
そこまでは良かったが、最後の口頭試問でつまずいた。勉強する気が出なかった
指定の教科書を見ても難しくて何も頭に入ってこなかった。動画授業を眺めるだけ。何も覚えなかった
そのまま試験に突入した
全ての質問に、答えられない
「再試だ。1週間後に来い」
また試問を受ける事になった。それもダメだった。また呼ばれた。またダメ。自分から日程を送らないといけないが、それのメールすら送れなくなった
レポートも合格していないので、書き直そうと思ったが、やる気が出なくて書かなかった。もうやりたくなさすぎて仕方がなかった。そりゃそうだ。サラリーマンになれたとはいえ、全然やりたい仕事じゃない。医者でも、歯医者でもない。誰かの役に立つ仕事ではない。

その後の研修では、採用担当者とカウンセリングをした。あまりにもやる気が無さそうだったからだろう(中学頃から、元々やる気が無さそうな事を指摘されていた)また、講師に質問をされてあまりにも答えられなさすぎて「こんなに分からない研修生は、初めてだ」と言われた。精神的ショックが大きかった


研修は理解不能なものもあったり、わかりやすいものもあったりと、気分にムラがあった。レポートを出していなかったり、課題を途中で投げ出すなど平均的研修生に比べればクオリティは圧倒的に低かった
朝に起き上がれない日が出てきた
なんて連絡しよう
風邪だと言って休むか
それはズル休みだしな
病院に行って、偽の診断書を作ってもらうか
いや、虚偽は良くないか…
微妙な真面目さと無駄な正義感が頭の中を駆け巡った
うつ病だったかもしれないから(今もだが)、精神科に行けば良かったんだろう
ただ、連絡も無しに休めばどんな事情があろうとも関係ない。怠惰な研修生だと認識される。だが、自分の事情を話せなかった

4月に配属先の研修が始まった。担当したのは、地下倉庫で荷物の仕分け。最初にやったパソコン実習の意味があったのか疑問に感じた。おまけに、重い荷物を持ったせいですぐに腰痛になった。求人に書いてあった仕事内容とかけ離れていた。ここで堰を切った様に、次の日から研修を無断欠席した。一度研修を休むと、止まらなかった。態度も悪かったらしい。朝の会議が5分経った所で貧乏ゆすりが始まった。全ての仕事内容が何も理解できず、体が早くここから逃げ出したいという反応だった
家でも泣いた。自分が何をやっているのか、分からなくなっていた
研修は"普通に"やっていれば大丈夫と言われた。私の"普通"は、皆の"普通"では無かった
退職届を出して、帰路につく際に今までのドン底人生がフラッシュバックした

3回目の失業が決定した